3月上旬、友人と守門岳のピークの一つ、大岳に登りました。
今回の目的は、東洋一といわれる雪庇を見るためです。
「東洋一」とは時々耳にする言葉ですが、それくらい巨大な雪庇という意味かと思います。(2番と3番はどこだという人はいないと思いますので)
雪庇ツアー
冬期間、除雪してあるのは二分まで、ここに駐車してスタート
夏場は保久礼小屋のそばまで車が入れます。
朝は路面凍結
雪原を歩きます。
目指す山頂が見えます。
少し下ると保久礼小屋
キビタキ小屋も雪の中
「白い砂漠」
積雪量が多くほとんどの樹木が雪の中です。
一面雪に覆われています。
大岳から中津又岳の雪庇、中央に粟ヶ岳 右奥に飯豊の山々
守門岳(袴岳)方面、稜線上にある雪庇の下は、傾斜が急で岩が一部露出しています。
左が中津又岳、右が守門岳(袴岳)
遠くの山々もはっきりと見えます。
守門岳の西側、南側が緩やかで奥の東側、北側が急斜面であるのがよく分かります。
中津又岳を目指して下ります。
予定では中津又からの稜線を保久礼に下る周回個コースの予定。
ところが、大岳の北向きの下り斜面が凍結していました。携行するしたチェーンスパイクではグリップが効かず無理かと思い、上りと同じ道を下山することにしました。
10本爪のアイゼンを持っいくべきでした。
里山の景色
橋を渡って駐車地点へ
今年、もう一回行く機会があったら、是非周回したいと思います。
雪庇と守門岳
・雪庇について
守門岳の山域には今まで何回か登っているので、雪庇についても考えてみました。
雪庇は建物や山の稜線の風下に雪が付いてせり出した状態をいいます。
雪はおおむね北西の季節風によってもたらされます。
上図は、中津又岳を東西の線で切った断面図です。西側(左側)がなだらかで東側(右側)が急斜面になっています。
西面に積もった雪は風下にテーブル状にせり出していきます。
せり出して雪が落ちたとしてもまた季節風によってあらたな雪庇がつくられます。
崩れた雪は、急斜面のため下まで落ちてしまいます。
傾斜のゆるい西側の斜面には雪が高く積もり、樹木や地面を覆い隠し「雪の砂漠」が出現します。
守門岳と日本海の間にはそれほど高い山がないのでここに大量の雪が積もります。これが、巨大な雪庇ができる理由と考えられます。
雪国では家の軒下の雪庇には十分な注意が必要です。
・守門岳について
守門岳は、烏帽子山から守門岳(袴岳)、青雲岳、大岳、中津又岳と馬蹄形に広い山域をもっています。
峰々が取り囲んでいるところは巨大な凹地になっています。これは爆裂口でかつての噴火の跡なのだそうです。
以前に、守門岳の北に位置する番屋山から撮った写真です。
急峻な爆裂口壁が見えます。
地学や火山には詳しくないですが、会津の磐梯山は整った形の「表磐梯」と荒々しい「裏磐梯」で景色が全く違います。
もしかしたら守門岳も同じような火山なのかもしれません。